今日は琵琶湖畔、大津への移動日でした。私にとっては「萌子デー」といっても良いくらい、萌子さんと一緒に過ごした一日となりました。
午前の遅い時間に松本から出発する予定だったので、まず朝食をとりに街にでました。幸いにも到着日をのぞいて天気に恵まれ続けたので、青空に松本城が冴え渡っていました。松本は城下町なのですね。城フェチにはたまらない黒いお城です。
縄手通りのベーカリーで朝食。途中立ち寄った四柱神社にてもみじに囲まれました。
宿に戻って、まつもと市民芸術館の長山さんと田中さんに見送られて出発。松本からまずは名古屋へ、特急ワイドビューしなの号の車内でノンストップでおしゃべり。名古屋から京都への新幹線も席がとなりでおしゃべり。京都から大津へのJRに乗り換え、宿までのタクシーも一緒。宿についてから大津市内をぶらり、パルコでベトナム料理のフォーを食べ、その後宿に戻って待ち合わせした女子5人で和風創作料理屋へ。飲み物の注文もままならないほど、皆好き勝手にしゃべりつつけ、賞味三時間。帰りの電車を待つホームのベンチにはなぜかひとつひとつ柄の違う座布団が。その上に腰掛けたみんなの写真を撮ろうとした妊婦・弘さんが、全員を写真に収めようとしてホームからはみ出るほど後ろに下がったので、我々の顔が引きつりました。
宿に戻ってこれを書いている今は酔って視界が二次元感覚です。なぜか酔うと世界が平面に見えてきますよね。パソコンが打ちにくいです。
移動だけの日は、ちょっとはめはずし。
気楽でたのしい「萌子デー」でした。
はやふね
二日前のブログに、「旅初日」と書きましたが私は「旅に出る最初の日」としてその言葉を使いました。しかし、「歌わせたい男たち」全国公演の旅初日は今日ではないでしょうか? そうですよね。
本日11月17日、まつもと市民芸術館では初日を迎えて本番への準備が着々と進められました。
この劇場は変わった造りになっています。
私たちが公演をする実験劇場の舞台と、主ホールの舞台が一続きになっているのです。この形容は正しいのでしょうか?つまり一枚の大きな舞台があり、その両側に客席があるのです。実験劇場は座席数およそ380席。モノトーンで統一されたモダンな雰囲気。反対側の主ホールは、ゴージャスな赤の座席が四階席まで……。舞台からの眺めは壮観です。
昨日松本入りをした永井さんが、「女優心をくすぐられるわ!」と思わず客席に向かって手を広げました。その姿、お見せしたかったです。
私のカメラ技術ではこれが精一杯。
ともあれ、旅初日ということで長めの場当たり稽古がありました。
役者さんの顔を見て一安心。笑いの耐えない稽古になりました。それにしても客席数170だったベニサン・ピットから倍の広さへ。永井さんも、駆けつけてくれた演出助手の鈴木さんも客席を右往左往して、見え方をチェックしていました。
はたして、松本のお客様はどんな反応をされるのでしょう。開場し、開演し、大谷さんの第一声を聞き、最初にお客様の笑い声が聞こえるまで食い入るようにモニターを見つめていました。
終わってみれば、なかなかの盛況。松本の皆様、本当にありがとうございました。劇場の方にも楽しく暖かく接していただいて、終演後は楽しく乾杯。ボジョレー・ヌーボーまで用意してくださったのです。
芝居もワインも祝・解禁です。
はやふね
松本二日目。晴天。
きりっとした空気の中、搬入開始。劇場に天気は関係ないですが、気分のよさは持ち込み可能です。
生まれ変わったまつもと市民芸術館はモダンな建物です。弘さんいわく、かつての劇場はバトンが竹だったとか。バトン?照明を吊るものらしいです。
劇場の自転車を借りて買い物に出ました。晴天の下、すっかり紅葉した山々が裾野まで見渡せます。美ヶ原です。そしてこの山々の反対側に目を向けると、北アルプスが連なっています。こちらはまさしく青い山脈。はなはだ愉快な気分です。
劇場に戻るとほとんどセットが組まれ、あの保健室が姿を現していました。
私が初めてお芝居に関わった時、千秋楽の熱気の残る舞台をバラして行く光景を見て、これが諸行無常というのだろうかと思いました。その芝居に対するどんな思い入れや執着も舞台の上にとどまることは出来ないのだな、と。舞台の芝居は、その日その時間にだけ存在します。東京の下町にあるベニサン・ピットの濃密な空間から、晴天の松本のモダンな劇場へ。芝居は運ばれ、またその日その時間に、その場所に出現します。
これもまた、はなはだ愉快。
はやふね